薬事日報 2001/02/02


バイオインフォマティクスからの創薬と企業戦略でディ・スリー研究所が講演会


 ディ・スリー研究所の1周年記念学術講演会「ゲノム創薬の医療へのかかわり」が1月30日、東京旗の台の昭和大学上條講堂で開かれ、その中で、ゲノム創薬研究の基本的戦略として、バイオインフォマティクスからの創薬と企業戦略が取り上げられた。

 バイオインフォマティクスからの創薬については、古谷利夫氏(ファルマデザイン社長)が講演、主に構造ゲノム科学の観点から機能解析の現状を紹介した。このなかで現在注目されている蛋白質の立体構造解析について、既に発表されている蛋白質構造の90%以上は予測が可能だとした。そして古谷氏は「立体構造の予測からドラッグデザインしていくといったアプローチが使われていくだろう」と話した。

 また、DNAチップの応用で蛋白質をファミリー別にスクリーニングし、毒性予測などに活用できることも紹介され、配列類似性が30%程度ある遺伝子がスクリーニングの目安になるとした。世界的には今後5年間で1万個の蛋白質について立体構造を決定するというプロジェクトが進行していることを挙げた。ただ、古谷氏は「米国で5000個、日本で3000個が目標になっているが、果たしてできるのか」との見方を示した。

 一方、ゲノム創薬時代の企業戦略については、石川智久氏(東京工大大学院生命理工学研究科教授)が講演した。
 石川氏は「新しいテクノロジーが新しいサイエンスを生み出す」として、これまで外国製バイオテクノロジーに依存してきたことを反省すべきだと指摘した。その上で、既に日本の潜在競争力が世界で16位まで低下しているといったデータを紹介、「日本独自のテクノロジーを創造しないと国際競争力はなくなる」と懸念を表明した。

 また石川氏は、製薬企業に在籍していた立場から大学の問題点についても言及。「本当に社会のニーズに合った研究をするためにも、大学と製薬企業との橋渡しとしてトランスレーショナルリサーチ(技術移転機構)が必要になる」と述べた。

 ゲノム創薬ベンチャーに関しては、従来の製薬企業を研究開発から販売まで行う「自己完結型」と表現、「研究開発などはベンチャーを活用したアウトソーシングが重要視されるようになる」とした。
 さらに石川氏は、21世紀には韓国や中国が経済的に台頭し、アジアが巨大な経済マーケットになると指摘した。医薬品のマーケットに関しても、アジアは人口に比べて医薬品の売上高が低いことを例に挙げ。


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